失敗しないための見積書とは

外壁塗装工事を始めて行う方も、何度か行ったことのある方も、失敗しない見積書とはどのような見積書なのか分かる方は殆ど居ないのではないでしょうか?
そこで、ここでは失敗しないための見積書とは何なのかをお伝えしていきたいと思います。

失敗しない見積書を見分ける為には大きく分けると6つのポイントがあります。

  1. 見積書の数量が㎡(mや個数)表記されている=施工管理に重要になる
  2. 下塗と上塗が製品名で記載されている
  3. 何回塗るのか記載されている
  4. 保証年数が記載されている
  5. 1式や空欄がある場合は注意が必要
  6. 相見積をする場合は製品名を揃えて比較する

以上6つのポイントについて詳しく解説していきます。

1.見積書の数量が㎡(mや個数)表記されている

凄く当たり前の事なのですが塗装を行う上でとても大切なことは
決められたことを決められたとおりに適切に施工を行う必要があります。

決められたことというのは塗料メーカーが各塗料に対して定めている
『標準塗装仕様書』に順守出来ている施工の事です。

塗装工事は現場で施工を行う為、メーカーの定める品質にするには、
この、『標準塗装仕様書』というのはとても重要になります。

どんな製品でも同じことが言えますが品質を保つためには
決められたことを決められた通りに適切に施工を行うことが重要になります。

使用量(塗布量)を管理する為には『㎡』数量が必須

施工する塗膜の品質を保つためにとても重要なのが標準塗装仕様書なのですが
その中でも見積書を作成して貰う上で重要な項目の一つが正確な数量を算出して『㎡』単位で記載して貰うことです。

良い見積書の例

外部塗装工事仕様数量単位
外壁塗装下塗:パーフェクトフィラー 1回塗
上塗:パーフェクトトップ  2回塗
150
良い記載例

悪い見積書の例

外部塗装工事仕様数量単位
外壁塗装     シリコン塗装     1
悪い記載例

塗料の使用量の重要性

塗料を施工する上でとても重要なのが1㎡辺りに何kgの塗料を塗りつけなさいという使用量が標準塗装仕様書で決められています。

赤枠で囲われている部分が使用量になります。
この使用量通りに塗料を壁に塗ることにより、塗料本来の性能を発揮できるようになります。

㎡(平米)による表記

塗料メーカーは必ず㎡表記で標準塗装仕様書を作っています。

なので、我々、塗装施工業者は使用量を管理する為には、㎡単位で数量を算出しないと、そもそも、正しい施工が行えません。

簡単に一例を上げますと

外壁150㎡の場合
パーフェクトトップの場合ですと0.11~0.17kgを1㎡辺りに塗装する必要があります。
パーフェクトトップは1缶が15kgなので
15kg÷0.14kg(中間数量)で107.14㎡を1缶で塗装出来ることになります。

上塗は2回塗るので150㎡×2=300㎡と
1缶で塗装出来る107.14㎡で割ると
300÷107.14=2.8缶必要なので
実際には3缶が必要ということが分かります。

この3缶(2.8缶)が必要ということが分かれば、適切な使用量が分かり、施工を管理するには、中塗りで1.4缶分を壁に塗り付けないといけないことが分かります。
そして上塗りでもう一度 1.4缶分を壁に塗り付ければ正しい施工が出来たことになります。

保証発行の場合も

一般的に多くの塗料メーカーは一般住宅の塗り替え工事には塗膜保証書を出していません。

しかし、マンションなどの大きな建物の場合は塗膜保証書を発行して貰えます。
その、保証書発行の条件とされていることの一つが適正な施工面積『㎡』を
適正な塗料缶数で施工されているかという、ことが挙げられます。

このようなことからも、施工数量を㎡表記していることがとても重要になるため、御見積書を作成して貰う場合は必ず㎡数量で作成して貰うことが大前提となります。

もし、㎡での見積書作成が無理と断られた場合は、その業者からの御見積書は貰わなくて大丈夫です。
むしろ、手抜き工事の温床となっている悪しき事項なので、こちらから断り、騙されないようにしましょう。

2.下塗と上塗が製品名で記載されている

ポイントの2つ目は塗装仕様(使われる塗料)が製品名で記載されているかになります。

良い例

外壁塗装下塗:パーフェクトフィラー  1回塗
上塗:パーフェクトトップ  2回塗
150
良い例

悪い例

外壁塗装      シリコン塗装      150
悪い例

同じ樹脂の塗料でも価格は何倍も違う

よく使われていて、現在主流のシリコン樹脂系の塗料ですが、実はものすごく種類か多いい樹脂の塗料でもあります。

一例として
日本ペイントのクリヤーと擬石調塗料は除外したもので外壁塗料で使用される製品を以下の表にしました。(順番は不順)

製品名樹脂の種類1液・2液タイプ
水性シリコンセラUVシリコン1液 水性
ニッペ水性ファインSi シリコン 1液 弱溶剤
オーデフレッシュSi100III シリコン 1液 水性
水性サーモアイウォールSi シリコン 1液 水性
パワーオーデフレッシュSi シリコン 2液 水性
ファインサーモアイウォールSi シリコン 2液 水性
インディフレッシュセラ シリコン 1液 水性
スーパーオーデフレッシュSi シリコン 1液 水性
高弾性ファインシリコンフレッシュ シリコン 2液 弱溶剤
ニッペ ファインSi シリコン 2液 弱溶剤
ハナコレクション100水性 シリコン 1液 水性
水性ペリアートUV 上塗 シリコン 1液 水性
DANシリコンセラR シリコン 1液 水性
1液ファインシリコンセラUV シリコン 1液 水性
ハナコレクション200UVファイン シリコン 2液 弱溶剤
日本ペイントシリコン塗料の種類

ざっと見ただけでも15種類もあります。
更に他メーカーなども含めてしまうと途方もない種類のシリコン塗料が有ります。

そして、問題なのが同じシリコン樹脂塗料でも製品によって
価格が3倍から4倍ほどの違いがあるということです。

耐候性だって当然違います

同じ樹脂の塗料でも価格差が3倍や4倍もある以上、当然ながら塗料の耐候性能も違ってきます。

種類耐候性能
安価なシリコン塗料の場合8~10年程度
高価なシリコン塗料の場合16~18年程度

最少と最大では倍近く変わってきてしまいます。
価格と耐候性は比例しますので、相見積を取る場合にはちゃんと製品名で見積をもらいましょう!

また、出来ることなら、同じ製品の塗料でお見積書を作ってもらうと、大変比較しやすくなります。

3.何回塗るのか記載されている

ポイントの3つ目はどの塗料を何回塗りするのかがちゃんと記載されているかになります。

良い例

外壁塗装下塗:ファイン浸透シーラー      1回塗
上塗:ファインパーフェクトベスト  2回塗
150
良い例

悪い例

外壁塗装      シリコン塗装      150
悪い例

標準塗装仕様書を順守した塗り重ね回数

塗料には下塗も上塗も決められた回数の塗り重ね回数が決められています。
上記でも述べましたが標準塗装仕様書に順守した施工が重要になります。

見積書にはどの塗料を何回塗るのか記載されていないと、手抜き工事をされてしまう可能性も有ります。
必ず下塗と上塗の両方とも何回塗るのかを明示されていることが重要になります。

屋根や外壁などは劣化が著しく進行している場合などは下塗りを2回塗や3回塗にすることもあります。

4.保証年数が記載されている

御見積書作成を依頼した際は塗装仕様を何プランか作って貰う場合が多いと思います。
弊社でも通常は3プランの御見積書をご予算とご希望をお聞きして作成しています。
そこで、重要になてくるのがどの塗装プランの場合、何年保証して貰えるのかということです。

プラン別に保証年数が記載されているかチェックする

弊社の場合各プランごとに保証年数を記載しております。

水性ウレタン系塗料の場合6年
1液水性シリコン系塗料の場合8年
2液水性シリコン系塗料の場合 9年
水性フッ素系塗料の場合 10年

保証期間も大切ですが、合わせて保証内容などもしっかりと確認しておきましょう。

5.一式表記や空欄がある場合は注意が必要

見積書の曖昧な1式表記や詳細などの空欄には注意が必要です。

悪い記載例

板間目地シーリング撤去+変成シリコンシーリング打ち込み1
諸経費1

適正な施工をする上で施工数量は塗装に限らずとても重要です。
シーリングには1mに対して必要な材料の量が決まっています。

必ず、適正な単位の数量を出してもらいましょう。
また、空欄の多い見積書には注意が必要です。
実際には、何をやっているのか不明になってしまい、手抜き工事などの原因になります。

外壁塗装パックに要注意!!!!!

よく、広告などで見かける 『外壁塗装パック』 などの一式見積などは、ほぼ全て何かしらの手抜き工事をしていると思って間違いないと思います。

一見分かりやすくて良さそうに思う『外壁塗装パック』などは、中身が全く不明な物も多く、仮に塗装仕様などが書いていても、これまで上記で書いてきたような、標準塗装仕様書に順守した施工を行うには限りなく不可能だと思われます。

手抜き工事の確率が増してしまう簡素化されたお見積書には十分に注意する必要があります。
というより、はっきり言ってしまえば手抜き工事をされたくないのであれば
絶対にパック見積や一式見積は避けた方が良いでしょう。

6. 相見積をする場合は製品名を揃えて比較する

少し番外編のようになってしまいますが、上記で述べた5つのポイントを押さえたお見積書を作って貰ったら、相見積する場合は、必ず使用する塗料の製品名は揃えて作成して貰うようにします。

外壁塗装仕様の一例として

プラン 仕様
プラン①下塗:パーフェクトフィラー   1回塗
上塗:パーフェクトトップ    2回塗
プラン②下塗:パーフェクトフィラー   1回塗
上塗:パワーオーデフレッシュSi  1回塗 (中塗1回塗)
プラン③下塗:パーフェクトフィラー   1回塗
上塗:パワーオーデフレッシュF  1回塗 (中塗1回塗)
弊社でよく選定している塗料

屋根塗装仕様の一例として

プラン 仕様
プラン①下塗:ファインパーフェクトベスト強化シーラー   1回塗
上塗:ファインパーフェクト             2回塗
プラン②下塗:サーモアイシーラー   1回塗
上塗:サーモアイSi       2回塗
プラン③下塗:サーモアイシーラー   1回塗
上塗:サーモアイF        2回塗

以上の様に塗装業者に製品名を指定してお見積書を作成して貰えば比較検討する際に、より明確に違いが把握できます。

まとめ

失敗しないためのお見積書には6つのポイントがあります。

  1. 見積書の数量が㎡(mや個数)表記されている=施工管理に重要になる
  2. 下塗と上塗が製品名で記載されている=価格も耐候性も違う
  3. 何回塗るのか記載されている=標準塗装仕様書を順守
  4. 保証年数が記載されている=保証年数が記載されているかチェック
  5. 1式や空欄がある場合は注意が必要=外壁塗装パックに要注意!
  6. 相見積をする場合は製品名を揃えて比較する

塗装工事は上塗りをしてしまうと、全てが覆い隠されてしまい、もし手抜き工事をされても簡単に見抜くことがとても難しい工事になります。

その為か、手抜き工事をする業者が後を絶たないのが現実です。
私もこれまで、数多くの塗装業者や職人を見てきましたが、手抜きを全くしない業者などは全体の5%も満たないと思っています。
逆を言えば95%は何かしらどこかで手抜き工事をしています。
大げさに聞こえるかもしれませんが、これが現在の塗装工事業界の現実です。

ですので、手抜き工事をされて失敗しないためにも、まずは工事の入口であるお見積書はとても重要になります。
上記で述べた6つのポイントを踏まえてお見積書を作成して貰い、適正な施工をして貰うことがとても大切です。

施工管理方法も併せて重要になる

良い見積書を貰ったからと言って安心はできません。
実際、現場で塗装するのは塗装職人であり、見積書を作った人や社長などはあまり実際の作業はしない為、如何にして、標準塗装仕様書に順守した施工を管理しているのかかがとても重要になります。

施工管理方法についてはこちらからご確認下さい。